作品紹介
act.20
作品
「プロローグ」
(宮・神剣)
熱田神宮の宮には
聖なる剣が祀られている。
その御剣(みつるぎ)の名は「草薙剣」
さぁ、日本神話の歴史を紐解こう。
かつてこの国に
「倭の国」を建てんと奔走(ほんそう)し、ここを「尾張」と名付けた
英雄「倭健命(ヤマトタケルノミコト)」と「草薙剣」の物語を。
「旅路」
(1部:颯爽、麗し、ヤマト)
--神話の時代。我が名はヤマトタケル。神剣を賜り、各地を平定して回る旅の命を受ける。長い道のりになるだろうが、成さねばならぬ。いざ、行かん。
颯爽と駆け回る旅路。軽やかに各地を旅して回る。
この国は美しい。鬱蒼と茂った草木、川のせせらぎ。麗しきこの地に、争いのない平和な国・倭の国を築いてみせる。
旅路は続き、やがて荒ぶる神々が宿ると聞く山へと入っていく…。
「苦難」
(2部:不穏、着火、火の海、草薙)
轟く雷鳴。なにやら良からぬものが迫りくる。
剣の柄に手を当て、不穏な気配に身構える。
一体なんだ…?不意に熱気に当てられ咽ぶ。
――火だ。荒ぶる神々の怒りは、美しき草木を焼いていく。よくも美しき自然を、、、怒りが込み上げる。しかし気づけばもう遅い。辺り一面、火・火・火。火の海に囲まれ、逃げ場はない。
煙で息ができず前が見えない。
炎に身を灼かれ、足がもつれ倒れ込む。
ここで私の旅は終わってしまうのか…?
――いいや、ここで倒れる訳にはいかない。我が身に流れる血潮は、燃ゆる御魂は挫けなどしない。
すると神剣が熱く光りを放つ。
そうか。根拠もなく悟る。ヤマトタケルが神剣を構え強く振るうと、草木は薙がれ、風が吹きすさび、火は退けられる。道が拓け、光明が見えた。
命からがら森を抜けていく--
「建国」
(幕間:終わり(尾張)、建国)
ようやくたどり着いた。髪は焦げ、泥にまみれ、服は破れた。もうへとへとだ。だが不思議と満ち足りている。
私はここに生きている。
見晴るかす、美しき大地。
長きに渡った旅が終わりを迎える。
そうだ、ここを終わりの地「尾張」と名付けよう。ここが「倭」の国の始まりの地だ。
尾張の地にて御旗を掲げ、国を興す。
例えいつかこの身が滅ぶとて、幾々千代に咲き誇れ、我が御魂よ。
尾張に始まった倭の国には、数多の人々が集う。願いの果てを目指し、決して挫けなかったヤマトタケルの心は、倭の心・大和魂となって、人々の胸に祈りの燈(ひ)を灯す。その燈火(ともしび)は、幾つもの朝(あした)を繋ぎ、いつしか日ノ本の国となる。
「サビ1:尾張に始まる倭の心(御旗)」
この身に流れる熱き魂
高鳴る血潮 誇り高く
まだ見ぬあの場所へ、願いの果てへ軌跡を受け継ぎ繋いでいく
形を変え名を変え、未だ見ぬ理想の国となる
尾張(終わり)に生きる、その刹那の一瞬に、一秒に、一期(ひととき)に、私たちの心は一つ
日本の一(はじまり)。
「サビ2:日本の一[はじまり](日ノ本)」
「一(はじまり)」歌詞
終わり目指した
御旗(みはた)に朋(とも)集う
紲(つな)ぐ祈りの 燈(ひ)を胸に
朝(あした) 輝く 日ノ本へ
ここに生まれ ここに生きる
心一つに