作品紹介
act.23
作品
プロローグ 出会い
水に浮いた油のように漂う混沌の地に二本の
光が差し込んだ。
輝く光の柱からイザナギとイザナミは
姿を現した。
運命的な出会いであった
二人は誓う。
この美しき世界に国を興そう。
その地を尾張と名付け、恒久の安寧を願った。
一部
建国・繁栄
萌え上がるその名はここ尾張
イザナギとイザナミは豊かな国の
繁栄を願い、 祈りを捧げる。
尾張国旗がなびき、
民は建国の瞬間に心躍らせる。
混沌とした世界は、
色鮮やかな新緑の大地へと
様変わっていく。
町は賑わい栄え、日本のど真ん中、
「尾張ノ国」が誕生した。
二部
カグツチ誕生
燃え上がる尾張
幸せな時間は
すぐに終わりを告げた。
大地が脈打つ鼓動のように
鳴り響く。
辺りを見渡すイザナギ。
その目に飛び込むは、
苦しむイザナミの姿。
火の神「カグツチ」の誕生である。
暴れるカグツチは、
大地を一瞬にして赫く(あかく)染め上げた。
炎に包まれたイザナミの姿、
その風貌は酷く灼きつくされたようにして変わっていた。
火の海は大地を包み込み、イザナギを飲み込む。
大地は唸りを上げ、
草木は苦しみ悶えるように炎を纏う。
イザナギとイザナミが築き上げた尾張が崩壊していく。
イザナギは業火を掻き分け、
イザナミを救わんとする。
燃え盛る炎の中で二人は手を伸ばす。
イザナミの手を掴みかけた
次の瞬間ー
目の前で火柱が上がった。
赫く立ち上る炎は、イザナミとの別れを意味するものだった。
そして彼女は、永遠の眠りについた。
新たな始まり
全てを失った。悲しみに打ちひしがれ、天を仰ぐ。
目に浮かぶはイザナミの姿。 涙を浮かべ、滲んだ視界に見えるのは変わり果てた尾張の地。
それでも、進み続けなければならない。
立ち上がれ。イザナミがその身を挺して守ろうとした尾張を、永遠に紡がなければならない。
尾張再建。
絶望の中、この美しい世界で出会えた喜びと最後の感謝を胸に、新たな一歩を踏み出す。
サビ
尾張再建
イザナミとの幸せな時間は、
まさに刹那のひとときだった。
それでも彼女に出会えた感謝を天に叫ぶ。そして、共に過ごした尾張を再建し
彼女を弔う。
別れの悲しみと出会えた喜び。残酷な世界の中で、小さく輝く光のように。
もういない、もう会えない彼女へ、「ありがとう」の言葉を。
フィナーレ
巡り出会えた感謝をイザナミへ
天にはもういないはずのイザナミの姿。
再建された金色(こんじき)に
輝く尾張を見下ろす。
イザナギの想いは天に届いた。
煌めく光に包まれて、尾張恒久の繁栄を紡ぐ伝説となった。
歌詞
翳りゆく灯よ
紡がれた 数多の 輝跡を
今 灯せ 金郷の天へ
宵の明けに 貴方への想いを
集い 謳う 夢の 煌めきよ
永遠に照らす 雲路歩み出せ
ここに生まれここに生きる
心一つに