top of page
  • Instagram
  • X
  • Youtube

act.17 紲夏(せつな)

動画:totmomtot様

テーマ:名古屋城宵祭り​

−プロローグ−

今年もやってきた祭りの季節。

日は落ちかけ、オレンジと薄紫が混じり合う空。蝉はまだ鳴いている。

祭りの時間が近づくにつれて落ち着かない仲間たちの空気。

一年待ちわびていたこの祭り。

練習の汗と涙が染み込み、誇りに満ちた法被に袖を通す。

 

そして目を閉じ、心を一つにする。

今宵、あの最高の舞台からしか見えない、絶景を見に行くために。

どまつり_プロローグ みかさんママ.avif

−口上−

 

薄紫色をした夏特有の空。

傾く夕日に、名古屋城の城壁の外まで太鼓の音が聞こえてくる。

 

行き交う人々も急ぎ足で祭りへ向かう。

だんだんと近づき、胸の鼓動かのように高まる音。

 

いよいよ城門をくぐる時。飾られた宵祭り提灯に、いよいよ祭りを実感する。

呼吸が浅くなる。心が震える。

これぞ祭りだ。息を呑む。

−憧れ−

 

「熱き夏祭りを象徴するは我らが男!盛り上げるのは夜宵の男よ!自分達にしかできない祭りの粋があるだろう!自分に酔いしれ背中で語れ!誰もが憧れるかっこよさを見せつけてやれ!!」

 

急に起こった祭りの渦に人々は集まり、いきなりピークかのような盛り上がりに人々は圧倒される。

屋台の人も手を止め目線を集める。人々の興味はいつしか憧れに変わっていた。

1-1 男 みかさんママ.avif
1-2女の子 みかさんママ.avif

–魅了−

 

男のそのかっこよさを惹きつけられた人々が、ざわめき、振り向き始める。

そこに現れたのは女達。美しくもかっこよく、触れたら切れてしまいそうな儚くも鋭い踊り。

 

一目見ようと集まる人々も、自然に道を開けてしまう。目を離すことができない雰囲気で人々を魅了していく。言葉も出さず、男達の客を奪っていく。

その姿は、まさに祭りの華。

−骨頂–

 

客を取られた男達も、負けていられぬと身を滾らせる。

屋台の並ぶ大通りを闊歩し、道を紺に染め上げる。その高ぶりに踊りのキレが増す。

 

男と女の魅力が掛け合い、その舞姿に磨きがかかる。

「これが夜宵の祭か!」人々は身を乗り出して、夜宵の虜になっていく。

1-3 掛け合い.avif
名古屋ばやし.avif

−盆踊り−

 

祭りに夢中になっていると、もうすでに日は城に隠れ、空は赤紫色になっていた。

祭りが始まって、まだほんの数分しか経っていないように感じていた。

毎年のごとく、祭りは一瞬で終わっていく。

「祭りが終われば今年の夏も終わりか…」そんな思いが一瞬頭をよぎる。

 

騒がしい祭りのどこからか名古屋ばやしが聞こえてくる。名古屋城宵祭りの名物、大盆踊り。

小さな円から始まり、その音につられて人々は集まる。人々が櫓の上の浴衣の踊り子に目を向け、見よう見真似でひっそりと踊る。

笛の音色に耳を傾けると、どこか懐かしい。小さい頃に祖母の手を取り踊った盆踊りを思いだす。

この懐かしさは、日本の夏祭りだけしか味わえないのだろう。

−賑わい−

 

最近の盆踊りは民謡だけではない。ノリのいい曲や、誰もが聴いたことのある曲まで。その簡単な踊りに心起きなく踊る。

 

隣の人と目を合わせると、楽しそうな笑顔が溢れている。人の声に誘われ、お酒を飲んでいた人たちまで立ち上がり、集まり始める。

 

賑わいと共に、人が人を呼び、そして人が集まればさらに賑わう!

賑わい.avif
太鼓 みかさんママ.avif

−太鼓–

 

「祭りの賑わいはこれじゃ足りねぇ。これが本当の宵祭りよ!」

広場に現れたのは、太鼓を持った威勢のいい男たちと、笛を持ち、視線鋭い法被隊。

スピード感のある踊りと音色で場を盛り上げる。目ている人々の鼓動も早くなっていく

–滾り–

 

鳴り止まぬ太鼓に、賑やかな人々の声。

皆が名古屋城の元、櫓の元に集まり、祭りを楽しむ。

 

いつしか月が昇っていた。

大太鼓が打ち鳴らされ、場が静まる。いよいよ祭りが佳境を迎えるようだ。

 

太鼓の音を合図に名古屋城が光り輝く。紅白の祭提灯の灯りに照らされて、人々が朱く染まりゆく。

一色に染まる会場に、踊り子の心が震える。

夏を賭けた思いを胸に、「これで最後だ。さぁ、絶景を見に行こう!」

 

今宵、一夏を賭けた夢踊り今こそ、その胸の中で高ぶり、滾る心を放て櫓の元に集い、燃ゆる生命よ身も心も空気も染め上がれ、祭色

滾り.avif
真骨頂.avif
紲夏写真2.avif

–真骨頂–

 

一糸乱れぬ踊りに、息さえも一つになっていく夜宵。

そして会場を巻き込んだ盛り上がりは留まるところを知らない。

 

夏をかけて夢見たこの場所。それほど価値のある場所。二度と今いるこの仲間たちとは立つことができない場所。

「この刹那-紲夏-に、魂響かせ」

朱く染まった会場に、光り輝く名古屋城。そして祭色に染まる人々。まさに絶景。

きっと明日には今隣にいる人はいない。一年に一度、偶然に足を運び、偶然に出会った。来年同じ祭りでも、同じ櫓の元でも出会うことはないのだろう。

しかし、この刹那に観た景色は忘れない。刹那は刹那でも、この刹那には一夏の想いがこもっているから。

ほんの一瞬に、全ての仲間と、全ての想いに心を馳せ、絶景を見て一呼吸。それが、絶景に酔う。

【歌詞】

名古屋ばやしでよっさよさ 踊れや踊れ​

灯火揺らぎ 宵の闇を彩る

暁に背を向け 行かん花道

 

​今宵夢躍り 滾る心を放て

つどい燃ゆる生命(いのち)よ

染め上がれ祭色

 

この紲夏(せつな)に魂響かせ

【受賞歴】

  • 第13回犬山踊芸祭 審査員特別賞

  • 第18回にっぽんど真ん中祭り 優秀賞

  • ​第4回どまつりin信州駒ヶ根 おいでなんしょ祭 大賞

  • 神戸新舞2016 ALIVE賞

  • ​第19回みちのくYOSAKOIまつり 優秀賞

  • 第1回おんさいEXPO 大賞

  • 第17回浜松がんこ祭 総合優勝 浜よさ大賞

bottom of page